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じゃ、おやすみ。
「・・・せつねー」 およそ考えもつかないこの状況で 「なんか俺、泣きそうよ?」 「泣くな」 ウザイから。と続けた男の横顔を見ていたら、本気で泣きたくなってきた。 「なにが悲しいって・・・」 ありえないくらいデカイ砂漠のど真中で 「なんで、アンタと一緒だろ?」 「その言葉、そのまま君に叩き返す」 ふざけんな。と言った男の声が掠れている。 「あー。さみー・・・」 「もう、黙れ」 「なあ、すげー寒い。アンタ、寒くないの?」 「・・・俺は別に寒くはない」 この期に及んで、まだ見栄を張る気か。この野郎。 声、震えてんじゃねえかよ。嘘つきめ。 「あ。そうだ。・・・なあ、あっためて?」 そう言ったら、男の瞳がフワリと揺らいで、躊躇いがちに抱きしめてきた。 「・・・ちっがーう!」 「・・・あ?」 それ、そのお得意の指パッチンであっためて? とっとと、火を起こせっつーの。 てめえ、本当に気が利かねえな。この役立たず。 ・・・ぎゃー!イテエ!痛てーって! 本当、勘弁してくださいよ。大佐。 俺もう、上半分しか残ってないんすから。 戦場のメリークリスマス。 俺はここで戦線離脱するけれど。 アンタはもうちょっと、頑張れな? アンタに幸あれ。そう笑って目を閉じる。 またね。大佐。 ・・・じゃ、おやすみ。 |