ピーコックカラー



そもそも俺は男なんだし、アンタが弄っているその場所だって、男を受け入れるために存在しているわけじゃないし、どうしたって行為自体に無理があるって、そんなの今にはじまったことじゃないし、どんなに理屈を並べてみても、それに勝る快楽なんて他にはないし。
自分でだって探ったことのない場所を、アンタの濡れた指先は遠慮もなければ容赦もなく、じっくりと押し拡げては犯していく。
ぷちゅ。と湿った音がやけに大きく耳に響いて、さっき散々舌で嬲られた後だから内側に流れ込んだ唾液の、そうだきっとその名残に違いないだとか、熱で浮かされたみたいになった頭の隅で、まだどこか波に乗れない自分を再確認したりしながら、身体の中を引っ掻き回す男の指の動きに喘いだりして。
小指から一本ずつ丁寧に解して馴染ませてあげるから、なんて耳元で優しげに囁かれたって、散々弄られて焦らされた今となっては、そんなの優しさじゃなくって拷問だって多分アンタもわかってて、それでも俺が腰を揺らして早くほしいと強請るまで、きっとこのまま指と舌だけでファックされ続けるんだろう。
ずっと放置されたまま、自分で触れることも許されない場所からは、もうすっかり溢れかえってトロトロと糸を引きながら、後ろを探るアンタの指までを濡らしていく。
熱くて辛くて耐えられなくて叫ぶようにアンタに強請れば、引き攣れた痛みとともに、迸るような快楽の波に浚われた。
身体の奥底からうねりをあげて快感が、背筋を通り脳天まで一気に突き抜けていく。
獣のように歓喜の声をあげながら、ただひたすらまでに快楽だけを追い求め、なにも生まないこの行為の意味など考えず、アンタのリズムで腰を振る。
どんなに行為に溺れていても、どうしたって拭えないこの違和感を快感に刷りかえながら、このままずっと何十何百交わりあって、二人ですっかり溶け合ったなら、いつかなにかを孕んだりするのだろうかとぼんやり思った。
貝に核を挿入して、そこから真珠が生まれるように。
熱に浮かされ、一瞬だけ頭に浮かんだそんなバカげた想像は、すぐに波に浚われて、そのままどこかに流れていってしまったのだけど。