Room #1402
なんだか静か過ぎて眠れないんだ、とあの子は言った。
真夜中の、四角い壁に囲まれた、白い部屋。
俺の村では夜だって、こんなに静かな時はない。
ああ、ホラね?無音の音が耳元で、キーンと微かな悲鳴をあげる。
それがどうにも気になって、眠れないのだ、とあの子は笑った。
前に一度だけ訪れた、そこはとても静かでのどかな場所だと思ったが。
違う、違うよ。村の夜は。
毎夜ごとに虫の歌声。風の音がさわりさわりとリズムに乗って。
満天の星空に、キラキラ流れるいくつの星が、夜空の譜面に音符を描く。
それでね。それに合わせて、かえるの合唱!
――ねえ、この街は。
人は沢山いるけれど、虫の声が聞こえない。
車のクラクションにかき消され、あの風の音が聞こえない。
街の明かりが強過ぎて、あの星空に届かない。
ねえ、この街は。
そして、あの子はそう言って。
あの頃に戻れるのならと、そう言って。
静かに目を閉じ、耳を塞いだ。
真夜中すぎの、白い部屋で。