スワンの形。



私、本当は非番だったのよ。と彼女はピンクに塗られた唇でそう言って、ピンクで染まった爪の先で、ピンクのリボンをそっと摘んだ。

なにこれ?なにが入っているの?金の瞳を輝かせ、金の髪をふわりと揺らして、箱に塗られた金の縁取りを指差しながら、少年がそう尋ねている。

「シュークリーム。作ったの。」
「えっ、ええ?それって中尉の手作り?」
「ええ、そうよ。だって非番だったんだもの。」

金の縁取りと、ピンクのリボンで飾られた箱の中。
そこから彼女のお手製のシュークリームが次々と。

「・・・あ、ヒヨコ」
「ヒヨコじゃないです。スワンです」
「・・・大佐、大概失礼だよね」

首が短く頭がデカイ、スワンが次々と皿の上に並べられていく。

「うわ、旨そう。ねえ、これ食べてもいい?」
「勿論よ。・・・牛乳、はいっているけど大丈夫?」
「大丈夫!なんか食べるの、勿体無いね」

勿体無いと言った先から、パクリと口に頬張った。
鼻の頭にクリームを乗せたまま、嬉しそうに旨いと微笑む。

「クリーム・・・」
「ん?」

そしてピンクの指先が、鼻先についた金のクリームをそっと拭い、躊躇うことなくピンクの唇でそれを舐め取る。

「甘過ぎたかしら」
「んーん。ちょうどいいんじゃない?」

目の前に並んだスワンの1つを摘み上げ、それを丸ごと口に運ぶ。
「・・・甘過ぎだ」
ピンクと金を見比べながら、私はそっと呟いた。