ジレンマ。



執務室の一角で、仲良し兄弟が、声を潜めてなにやら話し込んでいた。

「・・・それがさ。凄いんだよ」
「凄いって?」
「白いっていうか、ちょっとだけ淀んでる気もするんだけど」
「うんうん」
「なにしろ、すんげえ濃ゆいんだ」
「そんなに?」
「ああ。でさ?ドローっとしてると思うだろ?」
「うん。そう思う」
「でもちょっと違うんだ。ドローっともしてるんだけど、例えば箸でつまんだとして・・・」
「なになに?」
「ぷりっとした感じで持ちあがってから、ドローって感じ?」
「…ぷり?」
「ぷりっとは言わないのかな・・・。粘るんだよなー。糸引くまではいかないけれど」
「ねえ、兄さん。元々はどんな形なの?」
「元々はこんな感じ。で、皮剥くと・・・」
「皮剥くの?」
「うん。剥かないと駄目みたい」

話し込んでいた。

「で、身体にいいって大佐がいうから」
「・・・え?食べたの?」
「うん。食べたっていうか、飲み込んだ?ずるっと一息に」
「うわ、それで?」
「ちょっと、むせた」
「兄さん。一気に頬張りすぎたんじゃないの?」
「そんなことないと思うけど。まあ癖はあったけど、俺そんなに嫌いじゃないかも」
「そうなんだー」
「うん」

話し込んで・・・。
何の話をしてるんだろう・・・。
聞いてみたい。でも聞けない。聞くのが怖い。
何の話なんだろなあ。

・・・大佐って皮被ってるのかなあ。
ああ、すげぇ聞きてーよー・・・。