無題。



「・・・あれ?大将寝ちまったんですか?」
「ああ。どうやら待ちくたびれてしまったらしい」
「ハハ。それにしても、良く眠ってますねー」
「煩いから、起こすなよ?」
「それにしても・・・。よく我慢できますね?」
「なにがだね?」
「いや、こんな旨そうなもん前にして、よく我慢できるなーと」
「・・・まあ、確かに旨そうではあるが」
「でしょう?俺ならペロッといただいちまうとこですよ」
「じっくりと、時間をかけて自分好みに育ててみれば、また違った楽しみ方が出来るものだよ」
「・・・大人っすねー」
「あまりがっついても興が冷める。君もそういう味わい方を覚えたらどうだ?」
「まあ、機会があれば試してみますよ」
「そうしてみるといい」
「・・・で?このまま放っておくんですか?」
「時折、様子を見ながら・・・。まあ一晩寝かしておくさ」
「その際には、是非ご相伴に預からせてください」
「・・・勿論」



そう言うと、大佐はコンロの火を止めた。
大佐特製カレーを食べられるのは、どうやら明日のことらしい。