微妙すぎてわかりませんよ。



昼時には幾分早い午前10時。
ハボックは、タバコを吸うため中庭に向かって歩いていた。
通りかかりついでに、人気の少ない食堂を何気なしに覗き込む。
「・・・おや?」
椅子に座ったちんまいのが、せっせせっせと何かを口に運んでいる。
「よう、大将」
「あれ、少尉だ。久しぶりー」
「大佐のところに行く前に、いきなり食堂とはやるじゃないか」
「んー。まずは腹ごしらえしとこうかなーと。すきっ腹じゃ、あのおっさんのイヤミに耐えられそうにないからさ」
「・・・なんつか、否定できないわ」
「だろ?」
話す間にも、ちんまい・・・いや、鋼の錬金術師、エドワード・エルリックは、せっせせっせと何かを口に運んでは、ポリコリポリコリ噛み砕いている。
「・・・大将。さっきから何を必死に食ってんだ?」
「ピクルス」
「はー、それはまた渋いもん食ってんね」
「少尉も食べる?」
はい。と無表情に皿を突き出して、ホラ食え、さあ食え。とこれは一種の脅迫だ。
いえ、自分勤務中ですから。とハボックがさりげなく断りをいれる。
別に苦手なわけではないが、それほど好物なわけでもない。
ぐいぐいと皿を押しつけていたエドは、あっそ。と一言、セロリをポリコリ食べはじめる。
押しが強い割に、引きが早い。
ハボックは呆気にとられてエドを見つめた。
そんな視線もお構いなしに、ひたすらポリコリしていたエドが、あ。と言って動きを止めた。
「ど、どうした?」
「これ。どっかでみたと思ってたんだ」
「これって・・・。ナスだろ?」
「うん。・・・そうかー。納得納得」
「ナス?知らなかったのか?ナス」
「知ってるに決まってんじゃん」
「じゃ、なにが?」
「これこれ、この形さー」
エドが比較的細く小さめのナスを手に取り、説明し始める。
「これが、通常」
「は?」
そして手をもちかえると、割と大きめの、先程のに比べれば幾分太いナスを手に取った。
「で、これが伸び上がりマックス時だな」
「・・・なにが?」
「なにって・・・」
「エドワード・エルリックさん」
エドが言葉を続けようとしたその時、エドに呼び出しの声がかかった。
「はーい?」
「マスタング大佐がお呼びです。急いで部屋までくるようにと」
「・・・うへー。バレてた」
心底嫌そうな顔をして、エドがやれやれと腰をあげる。
「ちょっと待った、大将。・・・なあ、なにが?」
「ん?・・・ああー」
そう言ってエドは、手に持ったままのナスを口に咥え、舌先でヘタの部分へ向かって舐め上げた。
「・・・さあ?なんでしょう?」
「お・・・」
そして、ニヤリと笑うと、口に咥えたナスを奥歯で思いきり噛み砕く。
・・・ぎゃー!痛ぇ!
ハボックが声にならない悲鳴をあげた。
「じゃ、あとでね。少尉」
後には、ただ呆然と股間を押さえて立ち尽くすハボックの姿が残るだけ。