公園にて。
「いきなり、公園なんぞに呼び出したと思ったら・・・」
「やあ、鋼の。久しぶりだな」
「お寛ぎのところをどうも、大佐。・・・で、何の用?」
「相変わらず、つれないね。まあ、とりあえず、ホラ」
「ホラ。って?」
「私の隣。空けておいたから、君も寝る」
「・・・は?」
「今日は陽射しが暖かくて、いい昼寝日和だよ。鋼の」
「・・・っていうか、それ寛ぎすぎじゃないの?軍服は?」
「たまの休みの日だというのに、わざわざ軍服を着る必要はあるまい?」
「へー。休みの日にまで仕事?本当、熱心」
「誰が仕事だと言った?」
「は?仕事じゃないって、一体、ますます何の用?」
「たまには、こうして大自然の中で寛ぐのもいいかと思ってね」
「・・・そうですか。じゃ、まあごゆっくり」
「まあ、待ちたまえ。たまには、君も付きあったらどうだ?」
「それも、命令?」
「・・・いや、お願いしてるんだ」
「あー。眠くなってきた」
「いいぞ。寝ても」
「うー・・・」
「鋼の」
「んー?」
「バレンタインデーに、君は私にプレゼントをくれたろう?」
「・・・は?記憶にございませんが、大佐」
「くれたろう?ラブレターを」
「ラブレター?」
「そう。ホークアイ中尉から、確かに受け取ったが」
「・・・ああ。そりゃ、報告書っていうんです。大佐」
「あれには実に多くの愛が込められていた。正直驚いたよ」
「驚いたのは俺の方です」
「お返しをしなければ、とずっと考えていたのだがね」
「また、猫耳帽子とか言うんじゃないだろな?すげえ、いらねえ」
「数多の女性達には、当然品物でお返ししたのだが」
「・・・いきなり自慢かよ」
「しかし、鋼の。君から貰った愛に見合うだけの品物は、今日までかかっても見つからなかったよ」
「だから、いらねえって」
「いや、放っておいてすまなかったな。ハッハッハ」
「・・・楽しそうだな、オイ」
「ホワイトデーはとっくに過ぎてしまったが、君にはこれを」
「・・・なにこれ。オレンジ?」
「そう。剥いてあげようか?」
「それはいい。・・・つか、なんでオレンジ?」
「ホワイトデーに、愛をくれた女性達とは、同じ時間を過ごすことはしなかったんだ」
「え?質問は?無視?」
「何故って、あまりに人数が多すぎたからね」
「・・・聞いてねえし」
「何人の女性が涙でシーツを濡らしたことだろうね・・・。私は罪作りな男だな・・・」
「酔うな。自分に」
「そんなわけなのだから、鋼の?」
「・・・あ?」
「君は、特別なのだと知りたまえ」